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2011年10月17日

座間味→宜野湾マリーナ B面

※コンピューターの不具合で一時文章が乱れてしまいましたが、
 修正いたしました。まだ文章が乱れていると思いますが、それは私の文章力の未熟さなので予めご了承ください。
 

座間味→宜野湾マリーナ航海3日目
座間味→宜野湾マリーナ B面
↑早朝、西に月が沈み、東から太陽が昇る。


不安より、野心の方が大きかった昨晩は
興奮して眠れなかったせいか、
身体がだるい。今日は停滞にしようと
言いたいが、空は晴れ渡り
海は穏やかにこっちにおいでよと誘っている。

しかたがない、出発の準備をするか。

10月だというのに
セミはわんわん鳴いていて、
日差しは痛い。

弱い向かい風がここちよく
頬をなでる。
風は涼しい。やっぱ秋だなー。

渡嘉敷島を右手に見ながら
漕ぎ進む。
遠くの森では、やはり
セミが鳴いている。
空には入道雲と秋の雲が
一緒にたわむれている。

潮の流れが出てきて、
漕ぐのが辛くなってきた。

まだ外洋にも出ていないのに
これから先大丈夫か?
やっぱりこういった忍耐力が
必要なことは向いていないな。
軽々しく来年は奄美まで漕ぐぞと
言いふらしていたが、それは
なかったことにしよう。

カヤックに乗ってしまったことを
後悔しながら黙々と漕ぎ進む。

そういえば、今回
2人艇で一緒に漕いでいる
「ウソはつかないが本当のことを
言わないだけ」とあきれたことを言う
法螺吹き男爵が
「航海は後悔の始まり」と
言っていたな。
なるほど、こういうことか。
たまには本当のことを
言う男なのだな。


渡嘉敷島とギシップ島の間を通り、
ようやく外洋へと出る。
今夜のキャンプ予定の無人島は
まだ見えてこない。

とりあえず目の前にある無人島、
前島へと漕ぎ進む。

しかし漕いでも漕いでも景色は
変わらない。パドリングを
していると退屈の他に何もない。
それにお尻までもが痛いし、
久しぶりのパドリングで
手にマメまででき始めている。
おまけに足までしびれてきた。

カヤック旅なんて
いいことなどひとつもない。
さらにキャンプ地が
無人島だと冷えたビールは飲めないし、
身体はベタベタだし、ホントいいこと
などひとつも見当たらない。

で、なぜまた漕ぎ出すのかと
聞かれると、「海が私を呼んでいるから」
とカッコよく言いたいが
未だになぜだかよくわからない。本当に。

そうだ、カヤック旅でひとつだけいいことがある。
片道のフェリー代が浮くことだ。
いや、まてよ。
食料やビール代がかかっているのだから
1日で軽く片道のフェリー代をつかっているのか?

やっぱり、カヤック旅に
いいことなどないのかもしれない。


潮に流されながらも、ようやく前島へ到着。
昼食のポーク卵おにぎりと
サーターアンダギー(沖縄のドーナッツ)を
ほおばる。
潮が引きすぎていて水路が通れないので
満ちてくるまで待つ。

フォールディングカヤックは
底をサンゴや岩で擦って
しまうと穴があいてしまうので
浅いところでは注意が必要だ。

1時間ほどしてカヤックがぎりぎり
通れるくらいまで満ちてきたので
外洋へと漕ぎだす。

またまた退屈なパドリングだ。
退屈に押しつぶされて窒息寸前だ。
なので何か考えようとするが、
何故か考えることができない。
単調なパドリングだが頭の中は
忙しく動いているのだろう。



潮に流されながらようやく
無人島へ到着。
距離的には20kmぐらいだが、
潮の影響で30km漕いだ感覚だろうか。


漕ぎすぎて、ぐでんぐでんに
疲れて歩くのもままならないだろうな
と思いながら、カヤックを下りるが、
ムダに走れるほど元気。
しかも、無人島を一周散歩
してしまうほど体力は
有り余っている。

なるほど、やはり精神力と忍耐力
なんだな。カヤックというのは。

この無人島には渡し船があり、
島の真ん中あたりは、リゾート地という
言葉そのものの施設がいっぱいある。
でっかいビーチパラソルやビーチベッドが
砂浜を埋め尽くし宿泊施設、BARらしきものまである。
さらには結婚式まで挙げることができるそうだ。

シーズン中は
ジェットスキーがぶんぶん走り回り
バナナボートを引っ張り、キャーキャー
騒いでいる人たちが想像できてしまう、
そんなビーチだ。


そのリゾート施設に寝るなんて
たまったもんじゃないので、
島の西側の誰もいないところへ
テントを張る。
釣り師は数人いるが
釣りに夢中なので気にすることも
ないだろう。

座間味→宜野湾マリーナ B面
↑島の西側には第2次世界大戦中の軍艦がまだ
残っていた。

島の東側は沖縄本島の電気で
明るい。一般でいう「夜景」と
いうものだ。イヤでも明日は
本島へ戻らないといけないので、
東側もあまり見ない事にしよう。

夜は雨がちらついたり、お月さまが
顔を出したりと気まぐれな天気だ。
そんな中ビールはないので、
泡盛の水割りを飲む。

カヤック旅最後の夜は、
いろいろな話で盛り上がった。
といっても、内容はほとんど
忘れてしまったが、
盛り上がったのは確かだろう。たぶん。


座間味→宜野湾マリーナ航海4日目
最終日。テントから顔をだし、
全身筋肉痛の身体にムチを入れる。
あんなに漕いで疲れてないわけないよな。

最終日もゆっくりと出発の準備をする。
しかし、西の空からは雨雲がどんどん
近づいてきた。
今まで見えていた慶良間諸島の島々は
豪雨でみえなくなってしまった。

雨雲から逃げるように、
急いで出発する。

北谷、宜野湾、浦添、那覇、豊見城。
名護の勝山も海に浮かんだ島のように
見える。

昨日と同様、漕いでも沖縄本島に
立ち並ぶビルや建物は近付いて
こない。でも何故か辛くもない。
身体がパドリングに慣れてきたのか
それとも帰りたくないのか。

後者の方が圧倒的理由だろう。
間違いなく。

海の上からでも目立つ、
沖縄電力さんの2本の煙突(?)を
目指す。

沖縄本島に近づくにつれ、
海にはゴミが多くなってきた。
顔を出して呼吸しているウミガメかな
と思ってずっとみていると、
発泡スチロールだったり、
ウミヘビかなと思ったら木の枝だったりする。
魚も飛び跳ねてこない。

沖縄本島上空を何機もの戦闘機が飛び交っていた。
その中を旅客機が那覇空港へと着陸している。

着陸するアメリカ軍の飛行機は
海の上から見るとまるで墜落するんじゃないか
というほど、本島中心を下りていく。
異様な風景だ。

旅客機もピーク時なのか何機も那覇空港へと
下りていった。

建物がだんだん大きくなってくるにつれ
旅の終わりも近づいてきた。

力は入るわけもなく、だらだらと
漕ぎ進む。

そうだ!港に着けば冷えたビールが飲める!
あと少しの辛抱だ!と思ったのもつかの間
このあと運転をしないといけないことを
思いだし、ますますパドリングに
力が入らなくなってしまった。


旅の終わりをなんとか引き延ばしてはみたが
そんな抵抗もムダで、宜野湾マリーナに到着。
旅も終わってしまった。


マリーナで、みんなは冷えたビール。
私はコーラで乾杯。
うーん、コーラも良いもんだ。
こういうときに飲むコーラの旨さと
いったら言葉がでない。本当に。



目的地へ着いて、
「なぜカヤックで漕ぎ出すのか」の
理由を考えてみたが
やはりよくわからない。

「答えを探しに旅に出る」ということでも
なさそうだし、
ただ、あの島に行ってみたいから、とか
漕ぎ進んだあとのあの何十倍も美味しく感じる
ビールやコーラを味わいたいというのが
漕ぎ出すひとつの要素になっているのかもしれない。

ただ言えることは、当分カヤックはいいや
ということだな。





それから数日後。

手のひらのマメは残っているものの
筋肉痛もなくなり、辛さも忘れ、
見事に思い出が美化された
哀れなカヤッカー(私です)は
来年は、奄美まで漕ぐぞー!!
と気合を入れるのであった。


おわり


スタッフ:たまえ



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Posted by neosアウトドア at 09:23│Comments(0)その他いろいろ
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